インキュベーション活動キックオフでの挨拶 要旨

こんばんは。


こんなに大勢の人が新事業の案を応募してくれて、本当に嬉しく思っています。


私は去年、2020年の会社のビジョンを作る委員会のメンバーをしました。
そのビジョンの中で、これまでの我々のビジネスの延長線上に無い、何らかの新しいサービスを世の中に提供している姿を描きました。


そういうビジョンを描いた理由は、危機感にあります。
これまで、そして今でも我々の仕事は、クライアント企業に頼まれて、頼まれた通りの情報システムを作り、100人月かかったから1億円下さい、1,000人月かかるから10億円下さいと、人月単価によって巨額の対価を頂戴する、という仕事です。


そういう仕事は、無くなりはしませんが、少なくなります。
とても少なくなると思っています。


IT産業は、長期的に見て、成長産業です。
でも、この「頼まれた物を作り、原価ベースで対価を貰う」というビジネスに関しては、斜陽産業です。


ですから我々は、これから伸びてゆく分野に、ビジネスを転換してゆく必要があります。その「伸びてゆく分野」のひとつが、頼まれたものを作るのでなく、自らの判断でサービスを作り、世の中に提供するという分野なのです。


そういうビジネスをしている会社は、たくさん生まれていますね。コンピュータとインターネットの時代に、市場という厳しい土壌から、たくさんのサービスが生まれてきました。
我々は、自社という土壌からサービスを生み出すことによって、会社を変えて行こうとしています。


あなたたちがこれから取り組むのは、そのサービスを生み出すという挑戦です。
言っておきますが、まぁ、うまくは行かないですよ。
そんな簡単に成功するようなものではありません。


でも、サービサーになりたいという意思と、何らかのサービスのアイデアとを持った人がこれだけ集まり、互いに刺激を交換することで、その意思をより強固にして、石にかじりついてでも新しいビジネスを生み出してやる、という信念を持つに至ってくれれば、その中から必ず、会社の次代を担う事業が生まれてくると信じています。


期待しています。頑張ってください。